祭りは三つか、七つか?

『みことば』2013年10月号に、長谷川伸一兄の「ヨハネの福音書七章 『仮庵の祭り』での真実の証」という記事が掲載されている。
 この中で、「主の例祭」は七つであると書かれている。

「仮庵の祭り」は、イスラエル人に対して守るように神が命じられた七つの「主の例祭」の一つで、レビ記二三章三四節から記されています。

 しかしながら、この点についてはもう少し細やかに考えなくてはならないと私は思う。私としては、例祭は基本的に「三つ」であり、その「三つ」の祭りが「七つ」の区分を持つと考える。そしてそれは聖書の記述から明らかであると考える。

 まず以下の記事を見てほしい。

ルカ 22:1 さて、過越の祭りといわれる、種なしパンの祝いが近づいていた。

ルカ 22:7 さて、過越の小羊のほふられる、種なしパンの日が来た。

 ルカの福音書に記されたこれらの記述は過越しの祭り=種無しパンの祭りであることを示している。しかも、22章7節は過ぎ越しの子羊のほふられる日が種無しパンの日であると記しており、過ぎ越しと種無しパンの祝いの同一性をよりはっきりと裏付けている。

 さらに、例祭の数は聖書の記述の中にはっきりと「三回」であると記されている。

出 23:14 年に三度、わたしのために祭りを行わなければならない。


出 23:17 年に三度、男子はみな、あなたの主、【主】の前に出なければならない。


出 34:23 年に三度、男子はみな、イスラエルの神、【主】、主の前に出なければならない。


申 16:16 あなたのうちの男子はみな、年に三度、種を入れないパンの祭り、七週の祭り、仮庵の祭りのときに、あなたの神、【主】の選ぶ場所で、御前に出なければならない。【主】の前には、何も持たずに出てはならない。


Ⅱ歴代 8:13 すなわち、モーセの命令どおりに、毎日の日課により、これをささげ、安息日ごとに、新月の祭りごとに、年三回の例祭、すなわち、種を入れないパンの祭り、七週の祭り、仮庵の祭りごとに、これをささげた。

 引用した様々な個所から明らかなように、神は例祭の数をはっきりと「三度、三回」であると記している。そして各記事を総合して考えるならば、例祭の名称の対応は以下のようになる。

  1. 過越しの祭り=種無しパンの祭り
  2. 初穂の祭り=七週の祭り
  3. 収穫祭=仮庵の祭り

 そして、レビ記23章ではこれら3つの祭りが7つの区分に分けられて記されているのである。これは、イエス様の十字架から(おそらくは)千年王国までの時期的・時代的区分に対応した区分となっている。

 3つの区分で考えると、種無しパンの祭りは過ぎ越しの祭りと同じ区分に属し、七週の祭りは初穂の祭りと同じ区分に属する。また、ラッパの祭り、贖罪の日は仮庵の祭りと同じ区分に属する。

 以上、聖書の記述から祭りの区分について見てきた。少なくとも、安易に祭りの数を「七つ」とするのが、かなりおおざっぱな見方であることが分かるだろう。我々には、聖書のあらゆる記述に基づいて精密な読解をすることが求められている。